不動産の生前贈与と遺産相続

不動産は本人が指名した人に生前贈与することができます。生前贈与と遺産相続どちらが良いのか、双方のメリットをご紹介します。なお、生前贈与は不動産だけではなく、預貯金や株式なども可能ですが、今回は不動産に着目します。

まず生前贈与のメリットは大きく2つあります。
1つ目は、贈与する時期を選択できるということです。不動産は、時期によって評価額が変動します。そのため、贈与税がなるべくかからない時期に生前贈与を行えば、節税に繋がります。
2つ目は、贈与する相続人を指名できることです。遺言書がない場合などには、相続の割合は遺産分割協議によって話し合われますが、不動産は分割することが難しいケースもあります。よって、相続人同士のトラブルになる事例がありますが、生前贈与を行っておけばこれらのトラブルを防ぐことができます。

対して、遺産相続のメリットは大きく2つあります。
1つ目は、節税対策が可能なことです。相続税には小規模宅地等の特例をはじめとした様々な節税方法があり、生前から相続を想定した相続税対策を行っておけば、遺産相続時に少しでも多くの財産を相続人に遺すことができます。
2つ目は、遺産相続の内容を相続人に決めてもらうことができることです。もちろん生前贈与の場合でも相続人予定者が話し合い、生前贈与の内容について本人に助言することもできますが、生前のうちからそのような話し合いを行うことに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。不動産について「生前贈与ではなく相続時の遺産分割協議で決めてもらう」としておけば、相続時に相続人同士が話し合い、決めることができます。ただし、前述の相続人同士のトラブルについては注意が必要です。

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