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相続税が払えない…延納や物納ができる条件は?

仮に相続税が払えないような事態になったら、どうすればよいでしょうか。

この記事では相続税が払えない時の対処法として活用できる延納や物納ができる条件を解説します。

相続税が払えない状況とは

相続税が払えない状況として考えられるのは、相続した財産が現金化困難の不動産が多い状況です。

場合によっては、相続した財産が不動産のみということも考えられます。

そのような時は相続人の保有している預貯金などから相続税を支払わなければいけませんが、支払えるだけの預貯金がないケースも想定できます。

相続税が払えない場合の対処法

相続税が払えない場合の対処法はいくつかありますが、今回はその中で延納と物納を取り上げます。

延納と物納の条件について説明します。

延納の条件

相続税が支払えないけれども、財産は手放したくない場合は最大で20年可能な分割払いの延納があります。

ただし、延納には下記の条件があり、すべて満たされないといけません。

 

  • 相続税額が10万円を超えている
  • 金銭で納付できない範囲と考えられる
  • 延納額や利子税の額に合う担保を用意できる
  • 延納申請期限までに延納申請書を担保提供関係書類と共に税務署長に提供できる

 

※延納税額が100万円以下、延納期間が3年以下の場合は担保がなくても認められる

物納の条件

相続税限定で認められているのが物納制度です。

現金で払えない、延納しても現金では払えない場合に限り物で支払う物納が認められています。

 

条件は以下の通りです。

 

  • 延納したとしても納付できない納税額であること
  • 納付困難と認められる金額の範囲内であること
  • 相続税の対象としての条件を満たす財産であること
  • 申告期限重視で物納申請書と物納手続関係書類を税務署に提出できること

 

物納ができる財産には優先順位があり、日本国内にあるものに限られます。

下記に順位とともに挙げてみます。

 

1順位:不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式など

      不動産や上場株式の中で物納劣後財産に該当するもの

2順位:非上場株式など

      非上場株式の中で物納劣後財産に該当するもの

3順位:動産

 

相続税を物納すると譲渡所得税がかかりません。

なぜならば、物納は国への譲渡にあたり、財産を売却して売却益に譲渡所得税がかかるケースとは異なるからです。

ただし、物納が相続税額を上回る金額ならば、納めすぎた金額が現金で還付され、その金額については譲渡所得税が課税されます。

また、遺産分割できていないものは物納できないことも覚えておきましょう。

まとめ

今回は相続税が払えない場合について、延納、物納の条件とともに解説しました。

相続財産が不動産のみなどの理由で相続税が払えない場合は、延納や物納が認められています。

相続税の延納や物納に関して、詳しいことは税理士にお尋ねください。

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大樂 弘幸先生

大樂 弘幸

(だいらく ひろゆき)

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所属団体
  • 日本公認会計士協会所属、同協会中小企業支援対応委員会委員
  • 東京税理士会所属
  • CFA協会所属
  • TKC全国会 会員
資格
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 米国公認会計士(ニューハンプシャー州、inactive)
  • CFA協会認定証券アナリスト
経歴
  • 1999年3月 慶應義塾大学商学部卒業
  • 2000年10月 会計士補登録
  • 2004年3月 公認会計士登録
  • 2000年10月-2006年8月 監査法人トーマツに在籍し、財閥系商社や外資系企業の財務諸表監査・内部統制構築支援などに従事。シニアスタッフ。
  • 2006年9月-2009年6月 セキュアード・キャピタル・ジャパン株式会社の経理部に在籍し、東証一部指定替え審査などに従事。マネージャー。
  • 2009年7月-2012年6月 新日本有限責任監査法人に在籍し、メガバンクや資産運用会社などの金融機関の監査・アドバイザリー業務に従事。シニアマネージャー。
  • 2012月7月-2014年9月 金融庁(新日本有限責任監査法人から退職出向)総務企画局企業開示に在籍し、企業開示・監査制度、コーポレートガバナンスコードの企画業務に従事。企業会計専門官。
  • 2014年10月-2015年9月 新日本有限責任監査法人に在籍し、メガバンクなどの金融機関の監査・アドバイザリー業務に従事。シニアマネージャー。
  • 201510月-2019年3月 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に在籍し、M&A業務や不正対応業務に従事。シニアバイスプレジデント。
  • 2019年4月-2021年9月 PwCグループに所属に所属し、規制対応や気候変動リスク対応に従事。ディレクター。
  • 2021年10月 独立し、大樂公認会計士・税理士事務所を設立

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